クレー射撃をスポーツへ変えた上下二連散弾銃

~ 始祖 FN Browning Superposed

 

アメリカが生んだ天才銃器設計家

ジョン・ブローニング氏が発明した銃器設計のアイデアは、ほぼすべての現代の半自動拳銃や、いくつかのフルオート小銃に採用されている。まさに銃器設計の父、まごうことなき天才である。様々な軍用銃へ多大な影響を与えてきた彼の人生最後の設計になったのは、民間用の上下二連式散弾銃 ブローニング・スーパーポーズドであった。

※画像はジョン・ブローニング氏

 

天才が残した

両引きの上下二連散弾銃

ジョンは妻と息子のヴァルを連れて61回目のベルギー旅行に出かける。目的は1926年に設計した同銃がどのように製品化されるのかを確認するためであったが、同年の11月26日、FN社の製造工場を見学後に急に胸の痛みを訴え、ジョンはその場で倒れてしまう。直ちに医者が呼ばれ救急蘇生が施されたが、奇跡は起こらなかった。その後、彼の遺作となってしまったブローニング・スーパーポーズドは無事発売され、当初はツイン トリガー式(引き金が2つ)で販売されていた。

※画像は息子ヴァル・ブローニング氏

息子が導き出した

上下二連散弾銃の完成形

発売から数年後、息子のヴァル・ ブローニングによってシングル トリガーへの改造が施され設計が完成しました。そう、現代のクレー射撃では当たり前になっている上下二連散弾銃シングルトリガー式の設計は天才と呼ばれた父を追いかけ続けた、息子の力によって完成したのです。

 

貴族の嗜みをスポーツに変える

息子が父から引き継ぎ完成形へ至ったブローニング・スーパーポーズドは、「万人に扱いやすく」「万人が手に入れやすい価格帯」「修理頻度の少ない高い信頼性と堅牢性」が世界中の射手から高く評価され、瞬く間に一般へ普及していった。それまで貴族の嗜みと言われていたクレー射撃が広く愛される一般的なスポーツへと変わった瞬間である。

※画像は弊社(資)中京銃砲火薬店で展示している第二次世界大戦終了後から3年経過した1951年製造の FN Browning Superposed Grade Ⅰ Lightning

※現代の上下二連散弾銃の単引き方式(シングルトリガー設計)は、この銃から始まりました。まさに上下二連散弾銃の始祖とも呼べる散弾銃

※機関部と銃身は現代では使用されないブルーイング仕上げ。昔はこの仕上げが主流だった為、この仕上げの色は現代でも「GUN BLUE(ガンブルー)」と呼ばれる。

※この商品ページはどちらかと言うと、日本の銃砲業界を盛り上げる為に作成しました。銃に隠された設計者の思想、歴史を知ってもらいたいのと同時に、隠されているロマンにも触れてもらいたいと思います。ご来店をお待ちしております。

(資)中京銃砲火薬店 TEL:052-321-5130

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定休日:毎週 日曜・月曜

撮影・記事 (資)中京銃砲火薬店 ミズノ